2026年7月の不動産投資市場では、全国的に価格が高止まりする一方、東京23区の物件価格が目立って上昇しています。
健美家の「収益物件 市場動向マンスリーレポート」によると、2026年7月の全国の区分マンション平均価格は2,766万円。前月比では0.86%減少したものの、前年同月比では12.44%上昇しました。
その中でも東京23区は特に強く、区分マンションの平均価格は3,998万円となり、直近1年間で最高値を記録しています。
東京23区の区分マンションが大きく上昇
東京23区の区分マンション平均価格は、前月比2.54%増、前年同月比では15.42%増となりました。
首都圏全体の前月比上昇率が0.44%だったことからも、東京23区の価格上昇が突出していることが分かります。
一方、全国の区分マンション平均利回りは6.68%。前月から0.07ポイント上昇しており、価格が高い水準にある中でも、投資需要は引き続き堅調に推移しています。
2026年7月の区分マンション価格
エリア
平均価格
前月比
前年同月比
全国
2,766万円
▲0.86%
+12.44%
東京23区
3,998万円
+2.54%
+15.42%
一棟物件も都心部が市場をけん引
一棟アパートの全国平均価格は9,033万円となりました。
前月比では0.91%減少しましたが、前年同月比では6.71%上昇しています。ここ数か月は小幅な上昇と下落を繰り返しており、高値圏での横ばい状態が続いています。
全国平均利回りは**7.91%**となり、2008年4月の調査開始以来、2番目に低い水準です。
これは、物件価格が高止まりしていることが利回りにも影響していると考えられます。
また、一棟マンションの全国平均価格は2億618万円。前年同月比では11.90%上昇しています。
特に東京23区では平均価格が3億1,228万円となり、前月比7.36%増、前年同月比17.89%増と大幅に上昇しました。
地方圏では価格変動が大きく、地域差が拡大
東京23区などの主要都市部が堅調に推移する一方、地方圏では価格の変動が目立っています。
区分マンションでは、信州・北陸エリアが前月比28.21%上昇した一方、前年同月比では46.30%下落。北海道では前月比15.00%減、東海では10.82%減となりました。
一棟アパートについては、前月比で上昇したのは中国・四国エリアの13.42%増のみで、その他のエリアでは下落しています。
一棟マンションでも、前月比で上昇したのは東北と首都圏に限られ、中国・四国では16.44%減、九州・沖縄では13.20%減となりました。
このように、全国一律に価格が上昇しているのではなく、エリアによって不動産投資市場の動きに大きな差が生じていることが今回のデータから読み取れます。
なぜ東京23区に投資需要が集中しているのか
東京23区の価格上昇を支えている大きな要因の一つが、人口と世帯構成の変化です。
東京都では20代~30代を中心とした転入が続いており、賃貸住宅の需要を支える若い世代が集まっています。
さらに、今後も東京都では単身世帯の増加が見込まれており、単身者向け住宅を中心とした賃貸需要が底堅く推移することが期待されています。
人口減少が進む地方では、将来的な空室リスクへの懸念がある一方、人口や世帯が集まり続ける東京23区では、安定した賃貸需要を見込める物件に投資資金が集まりやすくなっています。
限られたエリアに買い手が集中することで、物件価格を押し上げる要因にもなっています。
今後の不動産投資で重要になる「立地」
今回の市場動向から見えてくるのは、**「不動産価格は全国一律ではなく、立地による差がより大きくなっている」**ということです。
全国の区分マンション価格が前月比で微減する中、東京23区では過去1年間で最高値を更新しました。
また、一棟マンションでも東京23区が全国平均を大きく上回る上昇を見せています。
不動産投資を検討する際には、物件価格や利回りだけを見るのではなく、
- 人口・世帯数の推移
- 賃貸需要
- 空室リスク
- 周辺の再開発
- 交通アクセス
- エリアごとの需給バランス
などを総合的に確認することが重要です。
「価格が上がっているから買う」のではなく、「なぜそのエリアの需要が強いのか」を見極めることが、今後の不動産投資ではより重要になりそうです。
まとめ
2026年7月の不動産投資市場では、全国的には価格が高値圏で足踏みする一方、東京23区では区分マンションの平均価格が3,998万円まで上昇し、直近1年間で最高値を更新しました。
一棟マンションでも東京23区の平均価格は3億1,228万円となり、都心部への投資需要の強さが表れています。
一方、地方圏ではエリアによって価格の上昇・下落が大きく分かれており、今後はこれまで以上に**「どのエリアを選ぶか」**が重要になると考えられます。

